じゃがいも煮崩れしない方法や切り方のポイント紹介 煮崩れしやすい品種には注意!

煮物やカレー・シチューを作ったときに、じゃがいもが煮崩れしていたり、溶けるように形が無くなってしまうとガッカリしますよね。

煮崩れを防ぐためのポイントや、「メークイン」「インカのめざめ」など煮崩れに強い品種、逆に煮崩れしやすい品種について詳しく紹介します。

じゃがいもを美味しく調理するために、ぜひ参考にしてくださいね。

じゃがいもが煮崩れする原因は?

じゃがいもが煮崩れる原因は、以下の通りです。

  • 下処理をしないで煮てしまう
  • 水が沸騰してから(お湯の状態)に入れてしまう
  • 強火で調理してしまう
  • デンプン含有量の高いじゃがいもを使う

特に何も気にすることなく下処理をしないまま調理すると、じゃがいもは煮込み中に柔らかくなりすぎて形が崩れやすくなります。

なぜじゃがいもは煮崩れしやすいのかというと、じゃがいものデンプンは加熱と水分によって糊状に変わりやすい性質があるためです。

特にカレーや煮込み料理で煮崩れを避けたい場合は、デンプン含有量の少ない品種を選ぶのもおすすめです。

さらに、水の状態ではなくお湯に直接入れたり、強火で加熱すると煮崩れしやすくなります。

じゃがいもが煮崩れしない方法

煮物でじゃがいもを上手に扱い、煮崩れを防止する方法はいくつかあります。

じゃがいもが煮崩れないための様々なテクニックを詳細に説明します。

調理前に水に浸しておく

煮崩れを防ぐために、茹でる前にじゃがいもを水に浸すことが有効です。

水に浸すことで、じゃがいも内のペクチンが不溶化し、デンプンの吸水を阻止することができます。

また、水に浸した後は、水から茹で始めるとさらに煮崩れしにくくなります。

水の状態から茹で始める

じゃがいもは、沸騰したお湯ではなく、水から茹でると均等に熱を通すことが可能になり、煮崩れを防ぐことができます。

逆に、熱いお湯の状態からじゃがいもを茹で始めた場合は、うまく均一に火が通らず、外側が崩れやすくなり、内側まで十分に火が通らないこともあります。

時間短縮を図りたい場合は、じゃがいもを皮をむいてカットし、茹でると良いでしょう。

調理前に電子レンジで加熱しておく

電子レンジを使用してじゃがいもを加熱することも一つの方法です。

この方法だと、じゃがいもが煮崩れる心配が減りますし、たとえば150gの皮付きじゃがいもを600Wで約3分間加熱するだけで済むので、鍋で茹でるよりも時間を短縮できます。

さらに、電子レンジを使うとじゃがいもに含まれる水溶性ビタミンが流れ出るのを抑えることができます。

しかし、電子レンジでじゃがいもを加熱する時は、加熱時間に気をつける必要があります。

じゃがいもは他の野菜よりも水分が少なめなので、電子レンジで加熱すると乾燥しやすいのです。

ホクホクとした食感を出したい場合は、特に加熱時間を注意深く調整することが大切です。

カットするときは大きめ&弱火で調理する

煮込み料理で使用するじゃがいもは、煮崩れを避けるために他の材料より大きめに切ると良いです。

また、じゃがいもの角を軽く削り、面取りをすることで熱が均一に行き渡りやすくなり、煮崩れを抑制できる上、味が染み込みやすくなります。

煮込む際には、弱火で時間をかけて煮ると、じゃがいもが崩れにくくなります。

じゃがいもを煮込む際は、火の強さに気を付けることが大切です。

火が強すぎると具材が動きすぎて煮崩れる可能性がありますし、火が弱すぎると熱が十分に伝わらず、煮崩れの原因になることもあります。

圧力鍋を使用する場合は、じゃがいもは特に煮崩れやすいため、大きめに切って別に茹でておき、加える際には火力を調整することが重要です。

酸味のある調味料と共に煮る

じゃがいもの煮物を作る際、煮崩れを防ぐためにはクエン酸が含まれる調味料や梅干しの使用が有効です。

じゃがいもの煮崩れの主な原因であるペクチンは、酸性の条件下で分解されにくい性質を持っています。

そのため、クエン酸が入った調味料や梅干し、レモンなどを加えて煮ることで、じゃがいもが崩れるのを防ぐことができます。

調理前に下茹でしておく

カレーや煮物など長時間煮込む料理で使用するじゃがいもは、先に下茹でをしておくと、中までしっかりと火が通り、煮崩れを防ぐ効果があります。

他の材料と共に煮込むときにじゃがいもが過剰に柔らかくならないよう、下茹でする時間は短くするのが適切です。

下茹での方法の一つとして、カットしたじゃがいもを沸騰したお湯に約20分間浸しておく方法があります。

この方法では、じゃがいもがお湯で柔らかくなり、その状態でペクチンが結合することで、後で煮込む際に煮崩れるのを防ぐことができます。

調理前に油で炒めておく

肉じゃがやカレーなど煮物を作る時、じゃがいもを最初に油でさっと炒めると煮崩れしにくくなります。

炒める際にはじゃがいもが焦げないよう火の調節に気をつけ、じゃがいもの表面に油が均等に行き渡るようにすることで、水分の吸収を防ぎ、煮崩れを抑制できます。

じゃがいもを他の食材と共に炒める場合は、先に肉や野菜を炒めてから、最後にじゃがいもを加えて炒めると良いでしょう。

また、煮物でじゃがいもが崩れないようにするためには、じゃがいもを少し大きめに切ることや、煮込み中に混ぜるのを控えめにすることもポイントです。

じゃがいもの煮崩れしやすい品種と煮崩れしにくい品種 それぞれ特徴を紹介

じゃがいもの煮崩れしやすさは、品種によって変わります。ここでは、煮崩れに強い品種とそうでない品種の特徴について詳しくご紹介します。

煮崩れしにくいじゃがいもの品種は?

​ 煮崩れに強い品種としては、以下のようなものがあります。

  • メークイン
  • インカのめざめ
  • インカのひとみ
  • とうや
  • ノーザンルビー

これらの品種はデンプン含有量が比較的少なく、煮物に最適です。

例えば、メークインは肉じゃがやカレー、シチューなどの形を保ちたい料理に向いています。

インカのめざめはメークインよりもさらに煮崩れしにくく、シチューやカレーに良く用いられます。

ノーザンルビーやとうやも独特の形状を持ち、煮物料理に適しています。

煮崩れしやすいじゃがいもの品種は?

​ 一方、煮崩れしやすい品種には以下のようなものがあります。

  • 男爵
  • キタアカリ
  • アンデスレッド
  • ベニアカリ
  • コナフブキ

これらの品種はデンプン含有量が多いため、煮物よりも蒸し料理や揚げ物に向いています。

男爵は粉ふきいもやコロッケに、キタアカリは電子レンジでの調理やポテトサラダに適しています。

アンデスレッドやベニアカリ、コナフブキはデンプン量が多く、マッシュポテトやコロッケ、お好み焼きなどに好まれます。

中間的な特性を持つ、好みで使い分けられるじゃがいもは?

​ 中間的な特性を持つ品種としては、以下が挙げられます。

  • 十勝こがね
  • シンシア
  • 北海道こがね
  • トヨシロ
  • グラウンドペチカ

これらの品種はホクホクとした食感が特徴で、料理によって使い分けることが可能です。

十勝こがねは揚げ物に、シンシアは煮物やコロッケに適しています。

北海道こがねはポテトフライ、トヨシロはポテトチップスやフライに向いており、料理の種類や好みに応じて選ぶことができます。

さいごに

じゃがいもの煮崩れを引き起こす主な原因は、適切な下処理の欠如や、沸騰したお湯での調理、強火での煮込みなどです。

特にデンプン含有量が多いじゃがいもを使った煮込み料理では、煮崩れがしやすいと言われています。

煮崩れを防ぐためには、じゃがいもの正しい下処理方法を知り、煮崩れしにくい品種を選ぶようにしてみましょう。