おでんなど煮物料理で使う大根を下茹ですることの重要性と、下茹でをしないとどうなるかをご紹介します。
また、お米のとぎ汁を使わない下茹で方法や、下茹でしないで調理することでのメリットについても解説します。
大根を煮物やおでんに使う前に下茹でする理由は?
おでんや煮物料理に使う大根を下茹でする理由として、以下の4つのポイントがあります。
大根にはクロロゲン酸やシュウ酸などのアク成分が含まれており、下茹でによりこれらを効果的に除去し、大根本来の味を引き出します。
お米や米のとぎ汁を使うと、さらにアク抜きの効果が高まります。
下茹ですることで大根の細胞壁が壊れ、味が染みやすくなります。これによって、おでんの中で大根の味が深くなります。
下茹ですると大根が透明感を帯び、見た目が美しくなります。茹でることによって光の反射が変わり、白さが透明感へと変化します。
大根特有のニオイは下茹ですることで軽減されます。特に、ニオイの原因となるメチルカブダンという成分が下茹でにより減少し、おでん全体の味の調和が保たれます。
大根を下茹でする方法4選 米がない場合の代替方法
大根を下茹でする方法には、色々なやり方があります。
調理に移るまでの時間の有無や、自分のやりやすい方法などを見つけていきましょう。
:おでんの大根を下茹でする際、一般的なのは米のとぎ汁を利用することです。
大根を輪切りにし、厚めに皮をむき、隠し包丁を入れます。これは大根が煮崩れを防ぐためで、味が均等に染み込むようにする工夫です。
鍋に大根を入れ、とぎ汁で中火で茹でると、アクが取れます。茹でる時間は大根の厚さによって異なり、だいたい20~30分が一般的です。
大根に片栗粉と水を加えて煮ると、片栗粉に含まれているデンプンの効果により、しっかりとアクが取れます。片栗粉はダマになりやすいので、一度にドバっと入れるのではなく水に溶かして使うようにしましょう。
茹でる時間は、大根の硬さに応じて調整し、柔らかくなるまで続けます。この方法のメリットは、米を使わずにアク抜きと栄養を保持できる点です。
大根の下茹でにかかる時間を短縮したい場合は、電子レンジを使うのが簡単です。この方法でもお米を使用することで、臭みやアクを取り除いてくれます。
大根を2cm幅に切り、皮を剥き、隠し包丁を入れた後、耐熱容器に入れて水と米を加え、600Wで5分間加熱します。加熱後は水気を切り、水で洗ってぬめりを取り除きます。
一番簡単な方法として、大根を水にさらす方法もあります。これは一部のアクを取り除くことができますが、他の方法と比べると効果は控えめです。
調理中に十分に煮込む時間があれば、あく抜きは水にさらすだけでも美味しく仕上げることができますよ。
大根を下茹でしないで煮物やおでんを作るとどうなる?
おでんや煮込み料理に使う大根を下茹でするかどうかは、その味や栄養面に大きく影響します。
下茹でを省略する場合にはどんな良い点や悪い点があるのか…下茹でしないことのメリットについても見ていきましょう。
大根には消化を助けるアミラーゼやプロテアーゼといった酵素がたくさん含まれています。しかし、これらの酵素は加熱に弱く、特に50~70℃で分解しやすくなります。また、ビタミンCのような水溶性の栄養素も多く含まれています。下茹でをしないで調理することで、これらの栄養素を逃がさずに摂取できるのです。
冬に作られる大根は特に甘く、シャキシャキした食感が魅力です。この食感はおでんの他の具材や米ともよく合います。そのため、冬の大根を使う際は、下茹でせずにそのまま使っても、その食感や美味しさを楽しめます。
一方、夏の大根は苦味や辛味が強いため、これらの味を下茹でで和らげることが推奨されているのです。
さいごに
おでんの大根を下茹ですることは、アク抜きや味の染み込みを良くするために重要です。
しかし、下茹でを省略することで栄養の保持や旬の食感を味わうこともできます。
大根を下茹でするかどうかは、季節や大根の種類に応じて選ぶと良いでしょう。